1.オプショントレードの利点
登場キャラ
【講師】
三度の飯よりトレード好き
三度の飯よりトレード好き
【受講生】
週末は主にショッピング
週末は主にショッピング
(1). トレンドに対する優位性 ~ 横ばい相場で儲ける
さっそくだけど、株を買うときに注意することってなんだろう?
えっと、その企業についていろいろ調べたり、それから株価チャートを見たりするけど。
そうだね。 株価チャートを見る目的は、トレンド(相場の流れ)を分析して、今後の株価動向をある程度見当付けることにある。
上向きのトレンドは、その株を買いたいという人が、売りたいという人よりも優勢な状態が続いていることを意味する。
トレンドがこのまま変わらなければ、株価は継続して上昇していくと予想できる。 ただし、トレンドは変化するものだから、注意しなくちゃいけないね。
トレンドがこのまま変わらなければ、株価は継続して上昇していくと予想できる。 ただし、トレンドは変化するものだから、注意しなくちゃいけないね。
株を買うときは、うまく上昇トレンドに乗ることが大事なんだよね。
これから成長しそうな企業の株を買うとか。
これから成長しそうな企業の株を買うとか。
・株価が上向きトレンドの時に利益をあげる
そういうこと。
安いときに買って、高くなってから売ればその差額が儲けになるからね。
反対に、相場が下降トレンドのときには、株の空売り(※)を行えば利益を上げることができる。 といっても、空売りは経験豊富な投資家にしかおすすめできないけどね。
安いときに買って、高くなってから売ればその差額が儲けになるからね。
反対に、相場が下降トレンドのときには、株の空売り(※)を行えば利益を上げることができる。 といっても、空売りは経験豊富な投資家にしかおすすめできないけどね。
※ 空売り(カラ売り)
株を証券会社などから借用し、それを売ること。借りたものを売るので、後で必ず買い戻して返済しなくてはならない。
空売りした後、株価が下がれば差額が利益となる。しかし、空売りした後に株価が上昇すると無制限の損失リスクを負うため、十分な注意が必要である。
空売りした後、株価が下がれば差額が利益となる。しかし、空売りした後に株価が上昇すると無制限の損失リスクを負うため、十分な注意が必要である。
・株価が下向きトレンドの時に利益をあげる
上昇トレンドの時は株を買ってから売れば儲かるのに対して、下降トレンドの時は売ってから買えば儲かるということだね。
ではクエスチョンっ!!
特に上昇も下降もしていない、横ばいの相場の時に利益をあげる方法はあるだろうか?
特に上昇も下降もしていない、横ばいの相場の時に利益をあげる方法はあるだろうか?
うーん、最近ではちょっとした価格変動を利用して利益を得ようとする短期トレーダー(※)が増えてるって聞くけど…
※ 短期トレーダー
短期間の価格変動を利用して、小さな価格差から利益を得ようとする人たち。
スウィング・トレーダーとも呼ばれ、特に1日区切りで売買する人たちをデイ・トレーダーといったりする。
スウィング・トレーダーとも呼ばれ、特に1日区切りで売買する人たちをデイ・トレーダーといったりする。
確かに、短期トレードはトレンドに関係なく行うことができる。
でも、長期的な戦略としては使えないよ。
でも、長期的な戦略としては使えないよ。
・株価トレンドが横ばいの時
わずかな価格変動を利用して短期売買で利益を狙うことはできるが…
長期的には平坦であり、売買による利益は得られない。
長期的には平坦であり、売買による利益は得られない。
じゃあ、株価が横ばいのときに利益をあげられるような、長期的な戦略はないってこと?
そう。 単純な株式売買では、横ばい相場で利益を上げる方法はない。
ここでオプションの出番となる。
オプションには、相場が長期的に横ばいであっても利益を得られる仕組みがある。
ここでオプションの出番となる。
オプションには、相場が長期的に横ばいであっても利益を得られる仕組みがある。
・株価トレンドが横ばいの時
オプションでは、長期的な横ばい相場を利用して利益を得ることができる。
もちろん、上向きトレンドや下向きトレンドのときに利益を上げる仕組みもあるけど、横ばい相場(レンジ相場)で利益を出せる仕組みがあるということが、オプショントレードの利点の1つなんだ。
具体的には、コール・オプションやプット・オプションを売ることによって、横ばい相場で利益を得ることができる。
オプションの種類と仕組みについては、後で詳しく説明するよ。
具体的には、コール・オプションやプット・オプションを売ることによって、横ばい相場で利益を得ることができる。
オプションの種類と仕組みについては、後で詳しく説明するよ。
ほぉー。 ちょっと知りたいかも。
(2). 資金効率の優位性 ~ レバレッジ効果
オプションのもう一つの利点として、レバレッジ効果(※)がある。
※ レバレッジ
英語で「てこの力」という意味。
投資用語では、少ない資金で大きいリターンを得ることをいう。
投資用語では、少ない資金で大きいリターンを得ることをいう。
というと?
例えば、普通に株を買った場合を考えてみよう。
1000円で買った株が、1ヶ月後に1100円に値上がりしたとすると…
1000円で買った株が、1ヶ月後に1100円に値上がりしたとすると…
1株あたり100円の儲けということになるね。
そして、この100円を儲けるためには1000円の投資資金が必要だったから、資金に対して10%の利益を得たことになる。
そして、この100円を儲けるためには1000円の投資資金が必要だったから、資金に対して10%の利益を得たことになる。
100株買ってたら、10万円の資金が11万円になったのか。
いいんじゃないの?
いいんじゃないの?
ところが、オプションを利用すると、もっとお金を効率よく使って儲けることができるんだ。
たとえば上の例で、株を直接買う代わりに、株のコール・オプションを買うことによって、より少ない資金で同等(またはそれ以上)の利益を得ることができる。
たとえば上の例で、株を直接買う代わりに、株のコール・オプションを買うことによって、より少ない資金で同等(またはそれ以上)の利益を得ることができる。
オプションを50円で買ったとすると、100円の利益を得た場合には、投資資金に対して200%の利益を得たことになる。
5千円の資金で、1万円の利益をあげたってことだね。
でも、これはうまく株価があがったからだよね?
もし株価が下がっちゃった場合はものすごく損をするとか…
でも、これはうまく株価があがったからだよね?
もし株価が下がっちゃった場合はものすごく損をするとか…
するどい疑問だね。
確かに、レバレッジの効いた取引というのは、リスクも同様に大きくなるケースが多い。
レバレッジの効いた取引の代表的なものには先物取引などがあり、ハイリスクで ハイリターンをもたらす特徴がある。
確かに、レバレッジの効いた取引というのは、リスクも同様に大きくなるケースが多い。
レバレッジの効いた取引の代表的なものには先物取引などがあり、ハイリスクで ハイリターンをもたらす特徴がある。
先物取引だと、相場が予想と反対に動いた場合はすごく損をするけど、オプションはどうなの?
上の取引の例だと、たとえ株価がどんなに下がったとしても、オプションの購入者は最初の投資資金(1株あたり50円)以上の損をすることはない。
つまり、オプショントレードでは、レバレッジを使いながら損失額をあらかじめ限定することが可能なんだ。
ただ売買方法によってはリスクが高くなることもあるから、オプションの仕組みをきちんと理解することが大切だよ。
つまり、オプショントレードでは、レバレッジを使いながら損失額をあらかじめ限定することが可能なんだ。
ただ売買方法によってはリスクが高くなることもあるから、オプションの仕組みをきちんと理解することが大切だよ。
なるほど。 オプションって、他の投資とはずいぶん違うところがあるんだね。
- 1.オプション取引の利点
- 2.オプションの基本
- 3.コール・オプション
- 4.プット・オプション
- 5.損益のまとめ
- 6.時間価値と本質的価値
- 7.カバード・オプション
- 8.ボラティリティとは?
- 9.ボラティリティの活用
- 10.株の保険1
- 11.株の保険2
- 12.投機としての買い
- 13.売りで利益を得る
- 14.売りの損失を限定する
- 15.ギリシャ指標(デルタ、ガンマ、ベガ、セータ)
- 16.デルタの活用
- 17.オプション取引入門 まとめ